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Side B

 

小説を読んでいると、突然語り手が変わることがある。

男女のラブストーリーであれば、男目線、女目線で語られる章が設けられていて、

「君はこう思っていたのか!」「あなたにはそんな秘密が!」なんて、

第三者としてストーリーを俯瞰することができる。

 

けれども、現実は自分の人生の主人公は自分で、

いわゆる【Side B】の相手が何を考えているかは、聞いてみないと分からない。

ましてや、聞いてみたところで、本当の胸の内を教えてくれるかも分からない。

 

だからこそ、人生には“想像力”が求められる。

 

 

先日、某人気5人組アイドルグループが、活動休止を発表した。

 

 

私自身、かつて他の5人組グループに心酔していた一人なので、

ファンがとてつもない寂しさに見舞われているであろう心中を察する。

 

5人揃っての会見で「無責任なのでは?」と発言した記者が酷評されている件で、実際、その会見を見ていた私自身も、

「ちゃんと公表して、休止までの期間を2年間設けたのだから、すごく誠意を感じるじゃないか!そんなこといったら、永遠に芸能人は辞められないのか?何言っているんだ、この記者は!(私の応援していた5人組は突然事件が起きて感情の整理がつかないままにあんな◎△$♪×¥●&%#?!(自粛))」と思ったのだった。

 

 

【Side B】

私は、とある新聞社に勤める記者。今日行われる、国民的アイドルグループの活動休止会見の担当を任され、少し緊張していた。日が暮れ始め、会見会場に向かうために席を立つ。下から迎えにきたエレベーターの扉が開くと、編集長が中から現れた。それは、私がいま最も会いたくない人物でもあった。お疲れさまです、と軽く首を曲げるだけの仕草を見せると、すれ違いざまに私の右肩に手を置き、「本性、掘り出してこいよ」の一言。彼の口癖とも言えるワンフレーズが、私の足を少しばかり重くした。

 

————質問ある方、いらっしゃいますでしょうか?

この言葉を皮切りに、集まった記者が一斉にして挙手した。無論、私も例外ではない。周りから飛び出す質問の一つひとつは、私の手帳にメモしてある項目ばかり。何か話題になる質問をしなければ……。編集長の言葉が脳裏にこびりついていた。

ついに私の順番が回ってきたときには、こんな言葉が口をついて出た。

 

「人気絶頂のなかの活動休止は無責任なのではないでしょうか?」

 

ファンの聞きたい事は何だろう?この場にいる私には、それを代弁する責任がある。そう必死に考えた結果の質問だった。

私の質問に対し、Sさんは淡々と自分の言葉を発した。それは無責任とはかけ離れたものだった……。

 

 

 ※まったくのフィクションです。

 

 

 

 

 

それぞれの考えとか、思惑とか、背景とか、

そういう【Side B】を想像できる余裕を持って生きていきたい。

 

と、思ったものの、今回のブログを書いていて、「飛躍しすぎる妄想もいかがなものか……。」と思ったのでした。

 

 

 

 

そんなにファンじゃないけれど、なんかちょっと寂しい!

 

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