スタッフブログ

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専用場所(名無し)

最近、シンクスコピー班の班長が名作コピーを紹介しとる。
コピーライターの鑑のような記事に感銘を受けつつ、
ならば、わしはシンクスコピー班の若年寄として、
町の名作を探し出してやろうと決めた。

 
そして、我々の町、今池を歩くこと3分。
そいつはすぐに見つかった。

 

IMG_2857

 

 

「○○専用場所」。
正確にいうとコピーでも何でもない。

 

ここは、とある雑居ビルの1Fに暖簾を掲げる飲食店の裏口。
一応、縁石ブロックによる区切りはあるが、
そのサイズから駐車場としての機能は期待できない。
何やらガラクタが置かれているが、倉庫というほどのものでもない。
特に使い途のあるスペースではないけれど、
だからと言って好き勝手にされても困るので領土の主張だけはしておく。

 

そこで、「専用場所」。

 

わしは、その語感の悪さから、「それは、ヘンじゃろ」とつぶやいた。
そして、わしなら、こうするね……と考え……。
……ムム……他に、最適な言い方が思いつかん!!

 

コピーライターの仕事は、広告のキャッチを考えることだけではない。
「ちょっと、ここの言い方、考えて」みたいな依頼もよくある。

 

 もしかしたら、この「専用場所」は、名作なんじゃなかろうか!
いや、間違いない、これは名作だ!

 

 

 

そんなキツネ様につままれた初夏の一日。
梅雨が明ける気配は、まだ無い。

 

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不思議、大好き。(糸井重里氏)

BABYMETALは、メタル神であるキツネ様のお告げで
音楽活動をしているそうだ。
決めポーズも、メタルで定番のメロイックサインではなくて、
手でキツネの顔をつくるキツネサイン。

 

結成時にスタッフがメロイックサインを教えたが、
当時中・小学生だった彼女たちは、影絵でキツネをつくるように
遊び始めてしまったことが、今に続いているらしい。

 

そして、もちろん、歌詞や振り付けにも、キツネ様は
ふんだんに取り入れられている。

 

特にフェスでのライブを見ると、BABYMETAL目当てではない
聴衆もいるはずなのに、その盛り上がりようは、
さながらワンマンライブのそれである。

 

会場は取り憑かれたように、まさにキツネ一色。

 

俗にいう非日常のストレンジ感が一気に導火し、
ステージ側から望む見渡す限りの聴衆の人波がキツネサインを
一斉に掲げ、キツネジャンプで躍動するビジュアルは圧巻である。

(わしが見たのは2015年5月のMETROCK〜DVDだけどね)

 

あれ

 

変拍子や転調盛り込みのメタルサウンドに、
ダンスをシンクロさせてくるYUIMETALとMOAMETALの
ユニットパフォーマンスにも目が離せない。

この2人、海外では双子に見えるらしく、メタル界の“あるあるミステリアス”を堪能させているのだそうだ。

 

そうなのだ。 BABYMETALが発する混沌のオリジナル感が、
海外や日本のメタラーにとどまることなく、
国境や音楽のジャンルを超えたファンを
サークルモッシュのごとく巻き込む現象を生んでいるのだ(と思う)。

 

(日本では若い女性のファンも増えているらしい)

 

「なんじゃ、これは!」(SU-METALがよくインタビューで口にする)
という新鮮なストレンジ感〜ふしぎ感が、
BABYMETALの最たる魅力なのかもしれない(と思う)。

 

で、

 

ふしぎつながりで、このたびのタイトルを飾るレジェンドコピーは、
糸井氏の代表作。

これ

1981年の西武百貨店のキャンペーンフレーズで、
消費者の商品に対する目線を一新させる切り口で、
百貨店広告の可能性を「6文字」で切り拓いたと評価されている。

 

競合とは異なるポジションを見いだして、新しい価値〜存在感をもって自らのステージを創りだしていくこと。

言葉や口にするのはカンタンだけど、
カタチとして表現〜具現化するのは容易ではないんだよね。

 

だから、 BABYMETAL。 (つづく)

 

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時代なんかパッと変わる。(秋山 晶氏)

ハードロックは聴くけれど、メタルはあまり聴かない。
わしらの10代の頃には、
メタルというジャンルは確立されていなかったように思う。

 

思い当たるところで言えば、当時DEEP PURPLEを脱退した
リッチーブラックモアが、ボーカルのロニージェイムスディオ、
ドラムスのコージーパウエルを従えたRAINBOWの超速サウンドや、
デビュー当時のVAN HALENの爆撃サウンドが、
ハードロックのさらなるハードロックを頂上していたのかもしれず、
わしもここらは、好んで聴いていた。

 

さて、メタルのジャンルが確立し、
ハードロックとの違いはどこで選別されるのか。

 

相撲評論家で名高いデーモン閣下によれば、様式美へのこだわりが
メタルの特色だと言う。

 

なるほど。BABYMETALの様式美をあげるなら、
日本を感じさせる和の趣であろう。(個人的な感想によるもの)

 

日本古謡や童謡の挿入、祭のかけ声、和楽器、
武道や歌舞伎を思わせる振り付けのキレキレダンス。

 

なにより、あのメタルサウンドに負けない、
伸びやかで迫力美なSU-METALのボーカル力は
打者の胸元で加速する大谷の超速ストレートに匹敵する圧巻モノである。

かと言えば、抜けのいいチェンジアップのごとく、時折魅せる
緩急を生かした歌唱表現力もまた、感動モノである。

 

ヘビーメタルになじみのなかったわしにも、 
BABYMETALのサウンド&パフォーマンスは魅力たっぷりである。

 

 

2010年結成。中学生・小学生だった3人の女の子が
カワイイメタルの一歩を踏み出す。

 

2013年メジャーデビュー。キツネ様のお告げで世界征服に乗り出す。

 

 

ヒットする。ブームになる。そんな保証のない時代に生きながら、
わしらたちも仕事を通じて、コンセプトを駆使したり、
ビジュアルを練り出したりして、
企業や商品や、それらのイメージを創出し続けている。

今回のタイトルには、1984年サントリーリザーブ「シルキー」の
新発売広告で使われた、秋山氏の名コピーを借用させていただいた。

 

じぶんの思うようにならない出来事があっても、
そのときの環境や時代を理由にはできない。

カンタンに時代を動かすことはできないけれど、
そのときの時代の息づかいに呼吸を合わせたり、間合いを取ったり、
そうした諸々の“あがき”を繰り返すことはできるかもしれない。

昨日生きているじぶんと、明日生きるじぶんは、少しずつでも
違っていないといけない。

そう思うことで前に進む勇気を
30年前の私に与えてくれた、名コピーである。

 

もうひとつ、秋山晶氏の名コピー。

 

時は流れない。それは、積み重なる。(1992年サントリークレスト12年)

 

 

まだまだ、 BABYMETAL。(つづく)

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水がある、氷がある。(魚住 勉氏)

アイドルとメタルの融合。
これがBABYMETALの結成コンセプトと言われている。

 

机上ではわかるけど、それってどんな音楽になるのか、
何もモチーフのないスタート時点で、
これらを仕掛けたスタッフたちは、イメージが描けていたのだろうか。

 

ヘビーなメタルに対して、ベビーなメタル。

 

実は、わしがBABYMETALを知ったのは、(恥ずかしい!)
今年になってから。

 

テレビで何気に見たライブに、
「ええやん! これは時代的に来るかもしれん!」

 

しかし……

 

 

 

 

「もう来とった………らしい!!!!」

 

 

 

 

それは、さておき、ライブを見て、実感し、確信した。

 

この3人の女子が存在していたからこそ、
“アイドルとメタルの融合”という着想が昇華したのだと。

 

コンセプトありきのゼロ発想で、
この BABYMETALをつくりあげてきたというプロセスは信じがたい。

 

 

優れた表現者たちが、コンセプトを引っ張っていく。

 

 

HEAVYMETALに対して、 BABYMETALというネーミング。 

 

そんなとき、魚住氏による1982年の名コピーを思い出した。

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夏にウイスキーを楽しもうというキャンペーン。

 

 

ちなみに、冬はホットウイスキーを楽しみましょうという
キャンペーンコピーは


火がある、人がいる。

水に「`」つけて 氷。
人に「`」「´」つけて 火。

 

 

この秀逸な遊び心。ヘビーなメタルに、ベビーメタル。

 

さらに、 BABYMETAL。 (つづく)

 

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