こぼれる。
あなたは、高校時代のクラスメイトの名前を、
何人くらい言えますか?
先日、30年来の友人Nから、
高校時代の恩師であるH先生が今年で退任されるということで、
夏に行われる退任祝賀パーティーへのお誘いメールが届いた。
H先生は、ずっと剣道部の顧問をやられていて、
今回のパーティーは剣道部が主催で企画されたのだが、
より多くの参加者を集めたいということから、
顔の広いNに連絡が届いたようだ。
Nは、高1、高2の2年間、
H先生に担任を受け持ってもらっている。
しかし私は、H先生には担任はもちろん
教科でも教えてもらったことがなく、ほとんど接点はない。
よって「今さらパーティーに参加するのもなあ…」
とという思いをそのままメールで返信した。
多くの人が私と同じ反応だったようで、
責任感の強いNは、あの手この手と
H先生に縁ある同窓生を探しはじめた。
数日後、近況報告も兼ねて同級生3人が集まり、
カラッカラの記憶を持ち寄ってみたけど、
出てくるのは入り乱れる思い出だけ。
歳月っておそろしい。記憶ってはかない。
「で結局H先生って、高3の時はいったい何組の担任なのよ」
「剣道部と弓道部って服装が似てて区別がつかんよね」
「12クラスもあったのに20人くらいしか覚えてないんだけど」
むなしい会話の無限ループ。
で結局、Nに懇願されてなぜか私も参加することに。
今年の夏は、勇気を出して
記憶の答え合わせに行ってこようと思います。
出会いがあって、また記憶がこぼれていく。
それが春。