足跡。
つい先日、NODA・MAPの新作・第21回公演『足跡姫』を
東京芸術劇場で観てまいりました。
NODA・MAPは、劇作家の野田秀樹氏が、
毎回役者さんを集める形で行うプロデュース公演ですが、
私にとっては3公演ぶりの久しぶりのNODA・MAP!!
なんせ、チケット取れません!
ほんと、たいへんなんです。
特に今回の作品は、
野田秀樹さんの同い年の盟友で、4年前に亡くなった
18代目中村勘三郎さんに捧げるオマージュということで、
なんとしても見たいと思っていた作品でした。
ホームページには、
野田さんのこの作品に対する思いが直筆で公開されているのですが、
これを読むだけで胸がいっぱいになります。
客席に花道が設置されていたり回り舞台になっていたりと、
歌舞伎小屋を想像さる舞台演出。
そして、三・四代目出雲の阿国をはじめ、
野田作品らしい魅力的なキャラクターたちが、
歌舞伎の史実を連想させるストーリーを創り上げていきます。
野田作品は難解だとも言われるのですが、
私は野田さんの作品は大好きです。
たぶんその多くを理解できていないのだろうなぁと思うのですが、
言葉遊びの巧みさとか、伏線の張り方、
その伏線をラストで一気に回収していく見事さに、
いつもうっとりさせられます。
そして難解な分、
観劇後に戯曲を読み直す面白さもあったり。
観劇の余韻に浸りながら、パンフレットや戯曲を読み返すのが、
私の至福だったりします。
さらに今回の作品は、
観劇の前日に、中村勘太郎&長三郎兄弟の
初舞台に至るドキュメンタリー番組を見てしまたこともあって、
また別の感動がありました。
歌舞伎も、
東京オリンピックの開会式に使われるんじゃないかとか、
いろいろ話題になっているので、
もう少しじっくり観てみたいなと興味が出てきちゃいました。
お芝居も歌舞伎も、
誰かが2本の足で道なき道を歩いて、足跡を残してきた芸術。
やっぱり肉体の芸術って、すごい。