小説と映画
先日、友人から「とてもおすすめだから、是非みてほしい」と本とDVDを借りました。
市川拓司著書の小説「恋愛寫眞」と2006年に公開された映画「ただ、君を愛してる」です。
小説「恋愛寫眞」が原作となり、実写映画化されたのが映画「ただ、君を愛してる」。
友人は映画を先に観て、すごく気に入ったので原作を読んでみたくなったそうです。
実は私、本から映画やドラマ化された作品の両方に触れたことがありませんでした。
同時に2つの作品を貸してもらったので、これは良い機会だと思い、2つの作品をみてみることに。
本を先に読むか、映画を先に観るか……
迷った挙げ句、私は本を先に手に取りました。
通勤の時間を使って読もうと思っていたのですが、次の展開が気になり一気に読了。
とても心温まる内容で、特にセリフの美しさが際立ったように感じました。
映画では、主人公を玉木宏さんと宮﨑あおいさんが演じています。
そのことだけは知っていたため、本を読みながら勝手にその二人のイメージをしてしまい、
その点では、個人的には想像力に欠け、少し残念に思いました。
そして、本を読み終わったその日、映画を観ることにしました。
クライマックスや自分なりに好きなシーン、好きなセリフがあるなかで、
それをどのように映像に映し出すのか、変な緊張感を漂わせながらの鑑賞。
「冒頭でそれを持ってくるのか」「私のイメージしていた部屋はもっと小さかったな」
「このセリフはちゃんと言ってくれた」「あれ?こんな場面あったかな」
なんだか落ち着いて観ていられず、本好きの人の言う「実写化しないでほしい」という声にも
納得できる気がしたのです。
そういった点で、本はとても想像力を使う娯楽なのだと感じました。
しかし、本と映画では楽しみ方や感じ方が違うことにも気づくことができました。
心がぎゅっと締め付けられる場面があったのですが、本と映画ではそのタイミングが異なっていたのです。
本の場合は、恋人から主人公にあてられた手紙の内容。
映画の場合は、主人公が恋人の撮影した写真を見ている場面でした。
この小説が「恋愛寫眞」ということもあり、映画では実際に写真を見ることができることの良さがあった気がします。
映画を先に鑑賞した友人は、「本を読むことで、理解が深くなり、多くのことを納得できた」と言っていました。
今回の「原作と映画化の両方の作品に触れる」という試みを通して、何ページにもわたる小説を2時間で映像化する難しさや、文字だからこそ表せる儚さみたいなものを知ることができたように感じます。
映画を先に観ていたらどのように感じていたのだろうか?という思いもあり、
記憶をリセットして再度、試してみたいものです……。
本の良さ。映画の良さ。それぞれなのですね。
広告でも媒体によって見せ方を変えていく必要がある。
今回、すこしだけそのことを実感できた気がします。