それなり文楽
関西に、刻々と台風が近づいて来ていた頃、
(近鉄は見事に止まったが…)
観にいってきました、三谷文楽『其礼成心中(それなりしんじゅう)』!
文楽を簡単に説明させていただくと、
日本の伝統芸能の一つである人形劇(人形浄瑠璃)で、
太夫、三味線、人形が三位一体となって作り上げるお芝居。
そんな伝統芸能である“文楽”を、
あの三谷幸喜氏が手がけたのが “三谷文楽”です。
2012年の初演で大絶賛を得た作品が、
今年は文楽の本場・京都でも再演されると聞き、
これは見なくては!と出かけてまいりました。
いや〜もう面白かった!素晴らしかった!
三谷作品(特に舞台ね)にはある程度の信頼を寄せている私ですが、
期待のはるか上を超えてよかったです。
まず始まって3分で、人形の動きの美しさに魅了され、
10分で話の展開に驚かされ、
そのあとはあれよあれよとあっという間の2時間。
伝統芸能につきまとう、難しさや退屈さなんて、
みじんも感じませんでした。
むしろ、1体の人形を3人の人間で巧みにあやつり、
見事な動きや表情を作り出す『文楽』の面白さを再発見できました。
この作品をつくるにあたって三谷さんが、人形遣いの方々と話をした際に
「人間が演じられるものは、絶対に人形も演じられる。
人間が演じられないものも演じられる」
と言われたらしいのですが、そんな逸話も納得…。
三谷演出ならではの突拍子もない展開にも、見事に順応していました。
ジャパニーズカルチャー、恐るべし。
個人的にはいつか、
文楽の技能士さんたちを取材してみたいとか思ったりして。
そんな仕事、できるといいなぁ。