ノルウェイとベロニカ
につき、ここのところ
相方が毎日のように iTunes ストアで
映画をレンタルしている。
"世界の亀山ブランド" も
多少の矜持は取り戻してくれただろうか。
ふとレンタル項目を覗くと、
その中に「ノルウェーの森」が入っている。
「これは、映画ムリだろ..」
見た瞬間そう思ったが、監督がトラン・アン・ユン。
彼の作品を何作か観ているが、彼ならやれるかも。と。
自分の中で「ノルウェーの森」と言えば、
幾度か向こう方からやってくる。
言わずと知れた世界的ベストセラーなので必然かもしれないが。
初めての出会いは、中学校の図書館。
当時は多感な思春期を送る中坊。
豊富な性描写が同級生と話題になったことがある。
全体は読んではいない。
あの上下巻、濃厚な赤と緑のカバーは鮮烈な記憶にある。
次に出会うのは大学生になった頃。
それはすでに文庫化されていた。
周りで村上春樹が流行りだし、
自分も漏れなくはまっていった。
読み始めたらそれは止まらず、
上下巻を一気に読み終えた記憶がある。
しかし、読後に何に魅せられているのか振り返ってみると、
何に魅せられているのか雲のように捉えられない。
虚無感さえも漂いそうになったとき、その雲のような、
理性ではとらえられないような不条理というか、
この説明困難な "空間" を提示されていることに気づく。
そして今回の映画化。
その "空間" をどう映像化するのか?
限りない困難があることが創造できる。
しかし、その監督はやってみせた。
..と、僕は見た。
独自の幻想美として表現してみせた。
キャストもほぼほぼ健闘。
直子はちょっとだけう~ん。
多くのハルキストが不満を抱いているだろうことは
容易に想像できるが。
ついでに、レンタル項目にもう一本。
「ベロニカは死ぬことにした」
この作品も原作はパウロ・コエーリョの小説。
これも世界的ベストセラー。
これはなかなか苦痛だった。
めずらしく長文になりました。