歌って癒して潤して
熱が出たりすると気づくんだ 僕には体があるって事
鼻がつまったりするとわかるんだ 今まで呼吸をしていたこと
これはBUMP OF CHIKENの「supernova」の歌い出しの歌詞である。
私は少し前、食べ物を噛めないほど口の中が痛くて、親不知を抜いた。
そのことを忘れるくらい今は毎日モグモグ美味しくご飯を食べられているので幸せを感じている。
そして先日、料理中に親指をやけどした。もう親指の腹がズル剥けである。
タイピングしていてスペースキーを押すときに若干「おぅ」となる。
こんな「痛い」エピソードがあるたびに、私は前述した曲が頭の中に流れるのだ。
痛みは時に、日常の幸せを思い出させてくれる。
そして今は、過去に取材した「湿潤療法」を実践している。
湿潤療法とは、かさぶたを作らず、傷口を乾かさない状態を保つ治療方法のことである。
専門家ではないので、下手なことは言えないが、簡単に言うと、人間の身体からは傷を治すための体液が出ているので、その液で傷口を潤しておくことで早く治る!という治療方法である。人間の治癒能力はすごい。
この取材をしてから、私は湿潤療法を何度か実践しており、効果を感じている。(なぜかよく傷をつくるのだ)
傷口を潤しておくために、ワセリンを塗るとかラップを巻くとか、そういった方法もあるらしいのだが、体液ですぐぐちゃぐちゃになってしまうので、管理が難しい。それをサラリとやってのけるのがキズパワーパッドだ。
私はキズパワーパッド信者になったのだ。あれはすごい。絶対的に信頼している。
キズパワーパッドさえあれば、私は強くなれる。そうとさえ思える。
最近は年のせいか、傷の治りが遅くなってきた気がしているので、キズパワーパッドに支えてもらう気満々だ。
そういえば、BUMP OF CHIKENの曲に「かさぶたぶたぶ」という曲もある。
膝をすりむいた少年の膝にできた“かさぶた”が、優しく少年に語りかける曲だ。
しかし、私はもう、かさぶたを作らない女になってしまた。
キズパワーパッドには傷を早く治す力はあっても、情緒はない。
そうやって人は、大人になっていくのだろう。