2020年、夏
本当に未来は分からないものだ
甲子園のない夏が、来てしまう。
TCC年鑑をめくっていると、ハッとする広告を目にしました。
甲子園第100回目を記念して、朝日新聞社が2018年に掲載した広告です。
各年の優勝旗が並ぶビジュアルの中、太平洋戦争の影響で1941-1945年の間が空白になっており、
「甲子園のない夏なんて、二度と来てほしくない。」というコピーには、“平和”を願う強い思いが込められているのが分かります。
まさか2年後に、予想もしない理由で「甲子園のない夏」が来てしまうなんて。
広告は時代を映す、なんて言うけれど、
今年の広告は何を訴えるのだろう、何を訴えればいいのだろう。
今回のことで、甲子園を目標に頑張っていた高校球児、飲食店を営んでいる人、卒業式ができなかった子どもたち、子どもたちをちゃんと見送れなかったと悔やむ先生、昼夜逆転で働いている人、配達員、夏に向けて準備する花火職人、医療現場で働く人……ほかにもたくさん。
普段直接関わることはないけれど、この世界にはいろんな人がいて、いろんな人のおかげで社会が回っていて、そんな場所でわたしは生きているんだな、と。
当たり前のことだけど、普段意識はしていないこと。
そんな、いろいろな人の気持ちを想像するきっかけになりました。
総理大臣でも、権力者でもないわたしには、なにもできないけれど、
想像力だけは、持ち続けたいと思います。
もうすぐ2020年の、夏が来る。