羽化
先日、小・中・高と同じだった友人と久しぶりに会った。
以下、その友人をA子と記すことにする。
A子は私とは、まるで真逆の人間。
趣味も違う、性格も違う、雰囲気も違う。
高校卒業後はまったく違う道に進んで、違う仲間に囲まれて過ごしている。
なんだか、私にとってA子は“友達”というより“相方”という言葉の方がしっくりくる。
真逆だからか、意見がかみ合うことはない。
だからといって、別にけんかになるわけでもない。
「そんな考え方もあるんだね。」
「あなたらしいね。」
そんな風に、話は進んでいく。
大人になったことで、私たちの環境の違いはさらに大きくなった。
違う世界を生きるA子の話は、それはそれはおもしろい。
私の考えに納得してくれる。
私もA子の考えを受け入れる。
決してお互いの生き方を真似しようとはしないけれど、
ある部分で尊敬し、理解をし合う。
そして、少しだけ支え合う。
とても居心地のいい時間を過ごした。
「同じ小学校じゃなかったら、たぶん友達になっていなかったね」
本気でそう思った。
この友情はきっと、
無垢な小学生の私たちが、今までつないだもの。
そして心から「出会えて良かった」と思った。
大人になると、なぜか友達をつくるのが難しくなる。
勇気を出して、ある一定の距離を飛び越えないと、
ある種で自分と“似ている”人にしか、出会えない。
知らない世界に飛び出すことはこわいけれど、
私はいま、新しさに触れてみたくて、うずうずしている。
なぜだろう。春だからだろうか。
セミは、羽化の途中に体力不足で、
空を知らずに息絶えてしまうこともあるのだという。
そう、羽化するにもエネルギーが必要なのだ。
あっという間にやってくる まぶしい夏に向けて、
春は、「養分」を蓄える季節でもあるのかもしれない。
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なんだか、気取った文章になってしまった。
きっと、これも春のせいだ!
ちょっと大人ぶりたいお年頃なので、大目に見てくださいね。