はじめての「王道」
「王道」と言われているものは数多く存在するが、
果たして誰が決めたのだろうか?
誰かが操作して、「王道」は出来上がっているのではないだろうか。
私はスーパー銭湯がすきで、たまに訪れる。
まさに「風呂のテーマーパーク」なわけであるが、
見ず知らずの人が裸で集う情景は、
まさに「人間そのもの」なのである。
いろんな人がいるが、対して変わりはない。
何も身につけず、服装も髪型も気にせず、
生まれたままの姿は、ほとんど同じ。
美しいスタイルになりたいなぁ
ボン キュッ ボン になりたいなぁ
なんて思いながら毎日を生きているのだが、
恰幅の良いおばちゃんなどを見ると
生きているだけでかっこいいな、なんて思う。
私にとって銭湯は身体だけでなく、心もゆるむ。
そんな場所なのだ。
そして、その日。
私は初めての王道に挑戦した。
プハーーッ
風呂上がりに腰に手を当てて牛乳を飲む。
これは、誰が決めたのだろうか?
確かに火照った身体に冷たい牛乳が染みた……。
テレビドラマで見た事あるような「王道」を再現して、
満足げに家路につく休日であった。