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時代なんかパッと変わる。(秋山 晶氏)

ハードロックは聴くけれど、メタルはあまり聴かない。
わしらの10代の頃には、
メタルというジャンルは確立されていなかったように思う。

 

思い当たるところで言えば、当時DEEP PURPLEを脱退した
リッチーブラックモアが、ボーカルのロニージェイムスディオ、
ドラムスのコージーパウエルを従えたRAINBOWの超速サウンドや、
デビュー当時のVAN HALENの爆撃サウンドが、
ハードロックのさらなるハードロックを頂上していたのかもしれず、
わしもここらは、好んで聴いていた。

 

さて、メタルのジャンルが確立し、
ハードロックとの違いはどこで選別されるのか。

 

相撲評論家で名高いデーモン閣下によれば、様式美へのこだわりが
メタルの特色だと言う。

 

なるほど。BABYMETALの様式美をあげるなら、
日本を感じさせる和の趣であろう。(個人的な感想によるもの)

 

日本古謡や童謡の挿入、祭のかけ声、和楽器、
武道や歌舞伎を思わせる振り付けのキレキレダンス。

 

なにより、あのメタルサウンドに負けない、
伸びやかで迫力美なSU-METALのボーカル力は
打者の胸元で加速する大谷の超速ストレートに匹敵する圧巻モノである。

かと言えば、抜けのいいチェンジアップのごとく、時折魅せる
緩急を生かした歌唱表現力もまた、感動モノである。

 

ヘビーメタルになじみのなかったわしにも、 
BABYMETALのサウンド&パフォーマンスは魅力たっぷりである。

 

 

2010年結成。中学生・小学生だった3人の女の子が
カワイイメタルの一歩を踏み出す。

 

2013年メジャーデビュー。キツネ様のお告げで世界征服に乗り出す。

 

 

ヒットする。ブームになる。そんな保証のない時代に生きながら、
わしらたちも仕事を通じて、コンセプトを駆使したり、
ビジュアルを練り出したりして、
企業や商品や、それらのイメージを創出し続けている。

今回のタイトルには、1984年サントリーリザーブ「シルキー」の
新発売広告で使われた、秋山氏の名コピーを借用させていただいた。

 

じぶんの思うようにならない出来事があっても、
そのときの環境や時代を理由にはできない。

カンタンに時代を動かすことはできないけれど、
そのときの時代の息づかいに呼吸を合わせたり、間合いを取ったり、
そうした諸々の“あがき”を繰り返すことはできるかもしれない。

昨日生きているじぶんと、明日生きるじぶんは、少しずつでも
違っていないといけない。

そう思うことで前に進む勇気を
30年前の私に与えてくれた、名コピーである。

 

もうひとつ、秋山晶氏の名コピー。

 

時は流れない。それは、積み重なる。(1992年サントリークレスト12年)

 

 

まだまだ、 BABYMETAL。(つづく)

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