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電王戦

春である。

相変わらず桜は可憐だし、明らかに人々の服装は軽やかだし、
にっくき花粉たちは今日も徒党を組んで鼻腔を攻撃してくるし。
移ろいゆく季節に恵まれたこの国の、幸福な永遠のループ。
春の風を、匂いを、色彩を、繊細な感性で享受するわたしたち日本人の何と美しいことか!

しかし、わたしは、みなさんに提案したいことがある。
今年だけは、春なんてそっちのけでパソコンのモニタにかじりつくべきである!と。

現在、「電王戦」が行われていることをご存知だろうか?
これはプロの将棋棋士5人と
世界コンピュータ選手権の1〜5位に輝いた将棋ソフトとの公式団体戦である。
この歴史的コンテンツを見逃してはいけない。

将棋界は長らく、コンピュータ将棋との対戦を禁止してきた。
すでにコンピュータの実力がプロを凌いでいるからとか、
興行として成功を収めるためのタイミングを見計らっているからとか、
理由は明らかにされていないが、多くの将棋ファンやIT関係者が熱望していたこの対戦。
果たしてコンピュータの計算能力は、人間の創造力や推理力をも上回ってしまったのか。

車は人より速いし、鉄砲は人より強い。
それでも、わたしたちはオリンピックの100m競争や
ボクシングのタイトルマッチに熱狂し、感動する。
「ボルトより俺ん家のプリウスの方が速いぜ!」という人はいない。
でも、知能だけは。知能だけは、人間は負けてはいけないと思うのだ。

さて、記念すべき「電王戦」。その戦いはすでに2戦、行われている。
第1戦/コンピュータ選手権5位 vs 期待の若手プロはプロの完勝。
第2戦/コンピュータ選手権4位vs 最弱と言われるプロは、コンピュータの逆転勝ち。

そして、明日、
第3戦/コンピュータ選手権3位vs 若手プロの対局が行われる。
前評判は互角といったところか。

この団体戦、最大の見所は第5戦、大将戦である。
プロ棋士側から登場するのは三浦八段。現在の棋界で10指に入るトッププロだ。
前4戦のように若手やロートルではない。言い訳のきかない人選だ。
対するコンピュータ側は、東京大学が開発したソフトで、
対局当日は東京大学全面協力の元、学内にある全パソコンをクラスタさせ臨むのだという。
その能力たるや1秒間に2億手を読むと言われている。

仮に三浦八段が負けるようなことがあれば、次はあの人が出るしかない。

人生で何十回と体験する春なのだ。一度くらい、スルーしても良いのではないか。
わたしは、それくらい、大きな出来事だと思っている(真顔)。

対局の様子はニコニコ動画で生放送される。
http://ex.nicovideo.jp/denousen2013/?shogi

ちなみに、本日は前哨戦として、コンピュータ vs 石田純一という戦いが組まれている。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv131674418

石田純一を起用するトリッキーなセンスも将棋界の魅力のひとつである。

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