T・A・B・I 旅したっていいじゃない
自然の力を前にした時の人間の無力さよ。
地震しかり、台風しかり、雷しかり。
ドラクエでゾーマと戦った時に万策尽き果て、
とりあえず残ったMPでホイミをかけた時と同じくらいの無力感だ。
私は40歳にして、生きてくことに苦難や恐怖を感じている。
思春期のデカダンスとはまったく異質の感覚だ。
それでも、私は自然を愛する男である。
魚座のO型なのである。ロマンティストなのである。
さて、先週末、私は自然を求めて友人家族と2泊3日のオートキャンプへ出かけた。
私はテントを設営したり、息子と釣りをしたり、
なかなかのパパっぷりを披露したのである。
夜には満天の星空を眺めながら露天風呂につかり、
友人とゆっくりと勺(グレープフルーツチューハイ♡)を酌み交わし、
ほろ酔いな気分にまかせて、柄にもなく将来のことなんかを語り合った。
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祝日にはさまれた3営業日。
ここで有給休暇を取れば、大型連休も可能だ。
実際、私のチームスタッフは2人とも休暇を取り、
南の島へバカンスに出かけた。1人は友人と。1人は恋人と。
豊穣な時間は、きっと素晴らしいデザインに姿を変えてくれるはずだ。
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私の遠い知り合いが、この夏、逝去された。
彼が死を目前にして望んだのは、妻との旅行だった。
妻は彼の体への負担を考え、やや躊躇したが、
それでも彼の最後のわがままだと思い、聞き入れることにした。
そして、妻は旅の途中で気づいた。
彼の望みは妻に思い出を与えることだと。これは彼からの最後の愛なのだと。
私たちには、旅に出る理由があるのだ。
>とりあえず残ったMPでホイミをかけた時と同じくらいの無力感だ。
オイラ、トルネコやり続けて、オールクリアしてからもやり続けて、超最強なトルネコ育て上げた。
もう、最終ダンジョンも誰にも負ける気はしねえ。すべての武器とアイテムを失っても負ける気はしねえ。そんなオイラだった。
ところがある日、嫁の甥っ子がやってきて、本当の目的は未だ何だったのかちゅーわけだけど、すべてふりだしのトルネコに戻して帰っていった。妻がトルネコ貸してやれって言うもんだから貸したのに。
…まぁ、そうね。何もしないで、やられるだけやられて日々を過ごせば、いくら最強でも負けちゃったりするわけね。
…旅は危険だぞ。妻の言うことを信じるな!妻が思い出に求めることは……!…コワヒぞー!