書とは
90歳を超え、今なお健在な私の祖母は、女学生の頃は書をたしなむ、
今で言うハイソサエティなお嬢さんだったらしい(本人談)。
書の腕前も相当なもので、かなりいいところまで言ったらしい(本人談)。
皮肉屋かつ批判精神旺盛な、まるでロンドンのパンクロッカーのようなばあさんで、
ある時、祖母が両手をポケットにつっこんだまま駅の階段を降りているのを、私の母がとがめたところ、
「ポケットから手を出せばいいのか」と言って、両腕を思いっきり天に突き上げながら階段を降りていったらしい。
思春期真っ盛りの高校生であった私にキルケゴールの「死に至る病」を紹介するなど、
私にとっては非常に啓示的な存在であったように思う。
私は子どもの頃から字が汚く、コンプレックスのひとつになっていた。
ある時、祖母が私に言った、忘れられない一言がある。
「字の上手下手は関係ない。大切なのは何を書くかだ」。
そして、私はライターになった。
ちょっと出来過ぎなような気がする。
だから私は書画の巧拙を見る目はまったく無いが、
そこに書かれた意味を知ることに興味を惹かれる。
昨日、家族と近所のショッピングモールに行ったところ、
小学生が書いた書がズラッと並べられていた。
さぁて、何が書かれているかな?
私は子どもの手を引き、わくわくしながら近づいた。
ギャフン!!
【電子申告】でんしーしんこく。申告などの国税に関する各種の手続きについて、インターネットを利用して電子的に手続が行えるシステムのこと。