シュレディンガーの蝉
先日、玄関扉を開けたらすぐ足元で蝉が事切れていました。
夏の風物詩のひとつ、油断ならない地面の蝉。もう死んでいるのかな?と思って近づくと、狙い澄ましたかのように(だいたいこっちに向かって)渾身の力で羽ばたいてくる。爆竹かよ。世間ではこれを「セミファイナル」と呼ぶそうです。巧い。
そんなセミファイナルの見分け方が、蝉の脚にあるそうで。
何でも、脚が開いていればliving、きゅっと閉じていればdeadだそうです。昨年の夏の終わりくらいに知りました。
敵を知っていれば怖くない。今年の夏は不用意に蝉爆弾を喰らうこともないだろう!
と、苦手を一つ克服したつもりで意気揚々としていてからの冒頭。玄関先の行き倒れの蝉との遭遇です。さあどっちだと判別しようとして気付きました。
怖くて、脚が判別できる距離まで近づけない。というか、脚見るために近づいたらlivingだった場合避けられない(気がする)。そもそも虫が気持ち悪いから間近で見たくない。
この瞬間、蝉が生きているのか死んでいるのか、はたまた生と死が混在しているのか、脳の信号が混乱を極めたので、考えることは一切放棄して迅速に出来る限り距離をとって駆け抜けることで事なきを得ました。戦わずして勝つ、戦略的撤退、そういうことです。
夜、帰宅したら玄関先の行き倒れは忽然と消えていましたが、自力で飛び立っていったのか、カラスか野良猫の胃袋に入ったのかは分からずじまいです。
教訓:知識だけあっても実践で全く使えないことがある
あたまでっかちにならないよう、何事も必ず行動を伴いたいですね(いい話風に締める)