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人と人の出会いは奇跡の連鎖である。
そこに好意という名のスパイスが加われば、
ささやかな偶然さえも、運命と呼び合うだろう。

そう、私は後ろ姿の女王に再会したのだ。

地下鉄では顔を確認していなかったが、
打ち合わせ中の声や表情、たたずまいから確信していた。
私は新しいプロジェクトについての資料に目を落としながら、
片方の目の端では彼女の一挙手一投足をとらえていた。
彼女は資料に目を落としながらも、
どこか不安げで落ち着きがないように見えた。

「……じゃあ、そんな感じで一週間後に企画案を持ち寄りましょう。」
ディレクター氏の声でようやく現実感を取り戻した私は、
軽口を2〜3、口にして席を立ち、出口へ向かった。
そして、少し意地悪な表情で
「いやぁ、こんなこともあるんだ」と小声でつぶやいた。
朝、地下鉄から降りる時と同様に背中に彼女の視線を感じながら。

これほど完璧な出会いがあるだろうか。
恐らく、このプロジェクトは上手くいくだろう。

誤算と言えることがあるとしたら、
王女が石原さとみではなく、石原良純似であったことくらいだろうか。

会社に戻ると早速、良純からメールが届いていた。

さて、この物語は、ここで終わりにしよう。
拙劣な詩はすべて本当の感情から生まれる、というではないか。

fin

 

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